フロン編 （続） №３

結局、秋田犬でも甲斐犬でもなかったけど・・・
とても可愛いといえる顔でもなかったけど・・・

賢くて穏やかな性格で吠えることもなかった。

ヒマさえあれば・・・（ずっとヒマ）
窓から顔を出して、表通りを見ていたモンだから、
みんなに声をかけてもらい、

近所のアイドルになってた！

自分が犬だという認識も薄く
自由気ままに生活してたんだけど、

フロンにとっては
大問題発生！！

かぁちゃんが妊娠！

さぁ大変！！

小型犬ならともかく、中型犬以上の犬を
座敷で飼うなんてそうはなかった時代。

跡取りに子供が出来るとなったら・・・

犬は座敷に置くな～
かぁちゃんは、念のために血液検査だ～

そんなことになるんやね。

結果は何の異常もなかったけど！

広い庭があるわけでもなく、
取り合えずフロンは廊下へと・・・
生活が一変！

今日から犬になるんやで、と言われても
迷惑で災難なハナシやったね。

しかし、そう都合よくは・・・慣れるまで

啼くわ、わめくわ、戸をガリガリ「入れて～！」
「入れろ～！」のお願いコール。

戸が壊れそうやし、ウルサくて近所迷惑。
側で怒ったり、なだめたり、言いきかせても、

聞く耳持ってくれん！

かぁちゃんも胸痛かったよ。
ツラかったけど、寝不足になって腹も立ったわ。

アキラメルのに、３日かかった。

無事女の子が生まれ、２年後には男の子と、
家族が増えていったんですが・・・


　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　次回のつづく